2009年02月27日

枝ぶり

りんごの枝って、どうしてあんなにくねくねと曲がっているのでしょう?剪定して人間が手を入れやすくするからでしょうか?
剪定を全くしなかったら、りんごの木はどんな風に育つのでしょう?自然淘汰という言葉があります。自然の中で雨風にさらされ、動植物に荒らされても残る木は、どんな花を咲かせるのでしょう?

小さな頃から曲がった枝がりんごの木だと思っていましたが、普通の他の果物の木って、あんな風ではないですよね?
柿の木だって、それなりだし・・・。人が手を入れすぎると曲がるんじゃないか?と密かに思ってます。
子供と同じじゃないかしら?穿ちすぎでしょうか?

分らないことだらけです。畑に出れば、出た分だけ不思議が増えていきます。日頃から思っていたことに加えて、謎です。
少しずつ急がずに学んでいくしかありません。 雨の中でもりんごの木は元気でしたが、この暖かさは異常です。 花が咲くんじゃないかと心配してますが、自然の力にはどうしようもありません。人はそれにあった対応をしていくのみです。
おいしいりんごが今年も採れるために、必要なこと? 肥料や堆肥を入れて、畑を休ませること。土に養分をあげて、木が育つようにすること。でも冬って木も休んでるんですよね。そんな時に養分ってほんとうに必要なんでしょうか?

現在の農業は糖分をあげて果物を大きく、立派にすることにばかりに流れています。
それは本来の果物のおいしさではないと思ってます。 酸味こそが果物の命です。バランスの問題ですが、酸味ってビタミンCですよね。糖分はアルコールに化けるので、お酒にする分には必要ですが、糖分の高すぎる果物を食べても、いいことなんてありません。甘いものは、このご時世、溢れかえっています。 酸味は疲れも取るし、身体にいい酸味のとれるものって案外少ないのかもしれません。健康の為に黒酢を飲むよりも、ちょっと酸味の高い果物を毎朝食べた方がバランスも取れると思うんですが?

私は、朝はヨーグルトと親戚で取れたキウイフルーツを食べてます。この時期のりんごは甘すぎるので、お昼とかおやつに食べます。朝に加糖すると頭がしゃっきりすると言いますが、りんごをがっつり食べると、胃の小さい私は朝ごはんが食べれないので、りんごは小腹がすいた時やデザート代わりに食べます。
忙しくてお料理してる暇のない時は、りんごかじって仕事します。 意外と繊維が多いので、腹持ちします。 父は四六時中りんごを剥けと言います。 痩せすぎなので、食べてくださいって感じです。

昨日は100箱をジャム用に出荷しました。一箱300円くらいです。 18キロです。 採算が合わなくても、まだまだ倉庫にりんごが唸ってるので仕方ありません。 ネット販売しろと言われることもあります。既に委託で楽天サイトのありがた屋さんで販売してますが、値崩れ起こしてるので、なんとも言えません。 どんなに生真面目にりんごを作っても販路がなければ、それまでです。 JA出荷、市場出荷では採算が合うわけありません。

我が家はお陰さまで、お得意様もおり、スーパーにも納品してるので、なんとか家族4人が暮らしていける程度です。 最近はレストランやスイ-ツ開発にも乗り出して、販路を広げようと頑張ってます。 問題は後継者です。女独りでは、何をどうやってもりんご作りは無理です。 今年の10月で農業研修生の期限が切れます。新しく1人雇わないとやっていけません。
店舗の方も人手が必要です。 今年は私は店舗よりも畑に力を入れたいと考えています。 
自然農法は何が起こるかわかりません。 毎日、畑に行って作業して、りんごも収穫して、店舗を回して、スーパー廻りをして、顧客管理もする。TELLもFAXもかかってくる・・・となると確実に業務オーバーです。 今から対策を考えて、人を確保していかないと秋場に大変なことになります。 肝心の畑をほったらかしには出来ないし、お客様にもご迷惑はかけれません。

はっきり言って頭が痛いところです。 でも、なんとかします。 その為にご先祖様から、健康な身体と小さい脳みそと感度のいいアンテナが与えられていると思ってます。 ここを乗り切らずに、いつ頑張るんだって感じです。 幸いにも人にも恵まれ、周りにいいアイデアや手助けしようとしてくれる方がいます。 本当にありがたいことです。 お客様にも支えられています。
それは、銀行振り込みの用紙に手書きで書き込まれたメッセージや、毎年のお手紙、年賀状などから伝わってきます。
この方達に喜んでもらえるりんごを作ろうと、家族一丸となって乗り切っていこうと思います。
父も高齢となってきましたが、りんご畑では父の背中が大きく見えます。子供の頃に見ていた父がそこにはいます。
最近は運転も危なっかしいし、めっきり年をとったなァと感じることも多いです。 でも畑に出ると父は違います。 自分ではもう駄目だと言ってますが、私にとってはまだまだ頑張って欲しい父です。あんまり無理をさせずに長生きしてもらって、後進の指導にあたって欲しいと思います。 そういう体制を整えていくことが、私の仕事でもあります。
枝ぶり
遊んでばっかりで畑に来ないと怒られていますが、いつか分ってもらえるようになりたいです。


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Posted by 松木うさぎ at 22:24│Comments(1)自然栽培
この記事へのコメント
りんごの枝の曲がりですか・・・素直じゃない?
青森の剪定の極意として「曲がり真っ直ぐ」というのがあります。
枝に切り込みを入れて枝を丈夫にする技です。
曲がりのひとつひとつは「てこの原理」を内包してます。
10年分の曲がった枝のつながりをタテに見ると、ナント真っ直ぐに見えるじゃないか・・・これでいいのだ。
人生もかくの如し・・・^ー^
Posted by 無度・も度・高度 at 2010年01月31日 10:47
 
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